
システムトレードの戦略は、思いつきや聖杯探しで作るものではありません。「どの市場で戦うか」から始まり、「どう戦うか」「どこまで信じるか」を、一つひとつ論理的に積み上げて組み立てていくものです。
このページは、当サイトが体系化した「戦略構築の型」の全体像です。Step.1からStep.6まで、順番に積み上げていくことで、特別な才能もプログラミング技術もなしに、再現性のある戦略を一つ作り上げられます。まだどこから読めばいいか分からない方は、まずこのページで全体の流れを掴んでから、Step.1へ進んでください。
なぜ「型」で作るのか
トレードで多くの人がつまずくのは、いきなり「ロジック(売買ルール)」から考え始めてしまうからです。どのインジケーターを使うか、どのパラメータが最強か。しかし、それは家を建てるときに、土地も選ばず、地盤も調べず、いきなり内装から考えるようなものです。
大切なのは順番です。まず「勝ちやすい市場(戦場)」を選び、次に「その市場に合った戦い方」を見極める。ロジックやパラメータは、その土台の上で初めて意味を持ちます。この順番を守るだけで、戦略の質は劇的に変わります。
当サイトの6ステップは、この「正しい順番」をそのまま形にしたものです。
6つのステップの全体像
戦略は、次の順番で積み上げていきます。

- Step.1 マーケットエッジ:どの市場の、どちらの方向(買い/売り)に優位性があるかを見極める。=戦場を選ぶ。
- Step.2 ストラクチャーエッジ:その市場は順張りと逆張り、どちらが機能するかを検証する。=戦い方を決める。
- Step.3 ロジックの実装:Step.1・2で決めた土台の上に、シンプルなインジケーター戦略を組む。=武器を作る。
- Step.4 最適化:パラメータを調整し、まぐれの一点ではなく「安定領域」を選ぶ。=武器を研ぐ。
- Step.5 フィルター:勝負所を厳選する条件を加え、精度を高める。=狙いを絞る。
- Step.6 ポートフォリオ:複数の戦略を低相関で組み合わせ、全体を安定させる。=陣形を組む。
一つひとつは驚くほどシンプルです。しかし、この順番で積み上げることで、全体として堅牢な仕組みができあがります。
各ステップの解説
Step.1 マーケットエッジを理解する
すべての出発点は「戦場選び」です。そもそも買いに優位性がある市場なのか、売りに優位性があるのか。ここを外すと、どんなロジックも機能しません。まずはデータで、戦うべき市場と方向を特定します。

Step.2 ストラクチャーエッジの検証
戦場が決まったら、次は「戦い方」です。その市場は、勢いに乗る順張りが効くのか、行き過ぎの反発を狙う逆張りが効くのか。銘柄ごとの構造的な癖を、データで見極めます。

Step.3 ロジックの実装
土台(市場×戦い方)が固まって初めて、具体的なロジックを組みます。ここではRSIを使った、誰にでも理解できるシンプルな逆張り戦略を実装し、そのパフォーマンスを検証します。

Step.4 最適化とカーブフィッティング回避
ロジックができたら、パラメータを調整します。ただし「一番成績の良い一点」を選ぶのは危険です。少しずらしても崩れない「安定領域」の中心を選ぶ、正しい最適化の方法を解説します。

Step.5 フィルターで勝負所を厳選する
戦略に「フィルター」を加え、勝てる場面だけに絞り込みます。ここではADXという指標を使い、方向性が明確な局面だけを狙うことで、戦略の精度をさらに高めます。

Step.6 ポートフォリオという構造
最後は、単一戦略の限界を超える段階です。同じ型で作った複数の戦略を、互いに低相関になるよう組み合わせることで、全体の資産曲線を滑らかにし、堅牢性を一段引き上げます。本シリーズの集大成です。

応用編:まったく別の角度から戦略を作る
6つのステップは、戦略構築の「幹」です。ここまでを身につけたら、次は幹から枝を伸ばす段階に入れます。
特に強力なのが、インジケーターに頼らない発想の戦略です。その代表が「季節性」を使った戦略です。RSIやブレイクアウトとはまったく別の論理で動くため、同じ銘柄でも収益の出るタイミングがずれ、ポートフォリオの低相関化に大きく貢献します。実際のS&P500のデータで、曜日と時間帯の偏りをどう戦略に変え、どう検証するかを解説しています。

型が完成したら、次は「検証」へ
この6ステップで戦略を組み上げたら、それで完成ではありません。むしろここからが本番です。作った戦略が「過去にたまたま機能しただけ」なのか、「未来でも通用する本物」なのかを、厳しく検証する必要があります。
その検証方法を体系的にまとめたのが、Robustness Lab(堅牢性テスト)です。あわせてご覧ください。
また、この型を使って実際に構築した戦略は、Strategy Listで具体的に公開しています。
まずは、すべての出発点であるStep.1から読み進めてみてください。